学び・進学

大学生の奨学金の種類と申し込み方法|給付型・第一種・第二種の違いをJASSOの情報をもとに解説

「奨学金って借りていいものなの?」「後で返せるか不安で、申し込むのをためらっている」——そんな気持ち、すごく分かります。でも、知らないまま放置しておくと、使えたはずの制度を使い損ねてしまうこともあります。

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、大学生の約37%が利用している制度です。「給付型(返還不要)」「第一種(無利子)」「第二種(有利子)」の3種類があり、それぞれ対象や条件が異なります。本記事では、各制度の内容・申し込み時期・返還について、JASSOおよび文部科学省の公式情報をもとに整理します。

奨学金の種類を確認している大学生のイメージ
まず種類を知ることが、最初の一歩。
1. 奨学金の3種類と選ぶ順番

JASSOの奨学金には大きく「給付型」と「貸与型」があります。貸与型はさらに無利子の「第一種」と有利子の「第二種」に分かれており、合計3種類の制度があります※1

種類 返還 利子 対象
給付型奨学金 不要(原則) なし 住民税非課税世帯・準ずる世帯など(所得・資産に条件あり)
第一種奨学金 必要 なし(無利子) 学力・家計の両方の基準を満たす学生
第二種奨学金 必要 あり(上限3%) 第一種より幅広い学生が対象
✅ 申し込む順番のポイント

返還の負担が少ない順に「給付型→第一種→第二種」の順でチェックするのが基本です。給付型と第一種、あるいは第一種と第二種の併用も可能です(ただし給付型と第一種の併用時は第一種の月額が調整される場合があります)※1

2. 給付型奨学金(修学支援新制度)

給付型奨学金は「高等教育の修学支援新制度」に基づき、文部科学省が実施している制度です※2。原則として返還の必要がなく、さらに授業料・入学金の減免と組み合わせて支給されます。

主な申し込み要件
  • 家計基準:住民税非課税世帯またはそれに準ずる世帯(収入・資産ともに基準あり)
  • 学力基準:高校の評定平均が3.5以上、またはそれに準ずる学習意欲が認められること
  • 対象校:文部科学省が確認した大学・短大・高専・専門学校
2024年度からの拡充

2024年度より、子どもが3人以上いる多子世帯の学生および私立大学の理工農系学科に通う学生への支援が拡充されました。2025年度にはさらにリニューアルが行われ、給付額の増額・対象の拡大が実施されています※2。自分が対象に当てはまるかは「進学資金シミュレーター」で事前確認できます。

⚠ 注意:給付型でも返還が発生する場合がある

給付型奨学金は「原則として返還不要」ですが、学業成績が基準を下回った場合や退学・除籍になった場合は、支給が停止され返還が必要になることがあります※1。受給後も学業を継続することが前提です。

3. 第一種奨学金(貸与型・無利子)

第一種奨学金は、無利子で借りられる貸与型奨学金です。借りた金額と同額だけを卒業後に返還します。給付型の対象とならない場合でも、学力・家計の基準を満たせば申し込めます※1

月額の目安

月額は「国公立か私立か」「自宅通学か自宅外通学か」によって異なります。一人暮らしの大学生(自宅外通学・私立)の場合、月額は選択できる複数の金額から選びます。詳細な月額一覧はJASSOの公式サイトに掲載されています※1

💡 授業料後払い制度(2024年度から)

2024年度より、大学院修士課程への進学者を対象とした「授業料後払い制度」が導入されました。修士課程在学中の授業料の支払いを卒業後に所得に応じて返還する制度で、第一種奨学金との選択利用が可能です※2

4. 第二種奨学金(貸与型・有利子)

第二種奨学金は、利子付きの貸与型奨学金です。利率は在学中は無利子で、卒業後の返還時から利子が発生します(上限3%)※1。第一種より採用基準が広く、月額の選択肢も多いため、第一種だけでは不足する場合に上乗せして申し込む使い方もできます。

⚠ 「借りるお金」という意識を持つ

第二種は卒業後に利子を含めて返還する必要があります。月額・借りる期間によって返還総額が変わるため、申し込む前に「月いくら借りるか」「卒業後の返還額がいくらになるか」をJASSOの返還シミュレーターで必ず確認しましょう。

大学の窓口で奨学金の申し込みについて相談する学生のイメージ
分からないことは、大学の窓口で遠慮なく聞いていい。
5. 申し込みのタイミングと流れ

JASSOの奨学金には「予約採用」と「在学採用」の2つの申し込み経路があります※1

種類 時期 対象
予約採用 高校3年生の春〜夏(進学前) これから大学に進学する予定の高校生
在学採用 大学入学後(毎年春が中心) すでに大学に在学している学生
在学採用の申し込みの流れ
  • ①大学の奨学金担当窓口に相談する:各大学を通じて申し込む手続きのため、まず在学する大学の学生支援窓口・奨学金担当窓口に問い合わせる
  • ②スカラネットで申し込む:JASSOのWebシステム「スカラネット」にアクセスして申し込み情報を入力する
  • ③審査・採用通知:学力基準・家計基準に基づいて審査が行われ、結果が通知される
  • ④振り込み開始:採用後、指定した口座への振り込みが始まる
💡 進学資金シミュレーターで事前確認を

JASSOは「進学資金シミュレーター」を公開しており、家計の状況を入力すると給付型・第一種・第二種それぞれの支給額の目安を確認できます。正式な採用結果とは異なりますが、申し込み前の参考として活用できます※1

6. 返還について知っておくべきこと

貸与型奨学金(第一種・第二種)の返還は、卒業・修了後の一定期間後から始まります。返還期間や月額は借りた金額・期間によって異なります※1

返還が困難になった場合の制度

卒業後に就職できなかった・収入が少ないなど、返還が困難な状況になった場合は、以下の制度を利用できます。

  • 減額返還制度:月々の返還額を減額して返還期間を延長する
  • 返還期限猶予制度:返還を一定期間猶予する
  • 所得連動返還方式(第一種):収入に応じて返還月額が変動する方式。採用時に選択可能
✅ 返還に困ったら早めにJASSOに相談を

返還が滞ると延滞金が発生し信用情報にも影響します。困ったときは放置せず、JASSOの奨学金相談センター(0570-666-301)に早めに連絡することが重要です。猶予・減額の制度は事前申請が必要です。

7. よくある質問
給付型奨学金はどんな人がもらえますか?
住民税非課税世帯またはそれに準ずる世帯(収入・資産ともに一定基準以下)で、かつ学力基準を満たす学生が対象です。2024年度からは多子世帯の学生や理工農系学科の学生への支援も拡大されました。自分が対象かどうかはJASSOの「進学資金シミュレーター」で確認できます。
在学中に申し込みを忘れていました。いまから申し込めますか?
「在学採用」として、毎年主に春に申し込み受け付けが行われています。時期を逃した場合は次の募集期間まで待つ形になりますが、まず大学の奨学金担当窓口に相談してみてください。二次募集が行われる場合もあります。
第一種と第二種は同時に申し込めますか?
はい、第一種と第二種は併用できます。ただし、給付型と第一種を同時に利用する場合は、第一種奨学金の貸与月額が調整される場合があります。どの組み合わせが最適かは、大学の窓口またはJASSOの相談センターで確認するのが確実です。
留学中も奨学金を受け取れますか?
国内の大学に在籍したまま留学する「休学・留学」の場合は、奨学金の支給が停止される場合があります。ただし海外留学支援のための別の奨学金制度もJASSOに存在します。詳細は在学する大学の担当窓口またはJASSOに確認してください。
奨学金の返還は何年かかりますか?
借りた金額・月額・返還方式によって異なります。目安の返還期間はJASSOの返還シミュレーターで計算できます。一般的には卒業後10〜20年程度かけて返還するケースが多いとされていますが、所得連動返還方式を選ぶと収入に合わせた返還になります。
まとめ:まず「給付型から確認する」の一択

この記事のまとめ

  • JASSOの奨学金は大学生の約37%が利用。「給付型(返還不要)」「第一種(無利子)」「第二種(有利子)」の3種類がある

  • 申し込む順番は「給付型→第一種→第二種」。返還の少ない制度から順にチェックし、条件を満たせるものを組み合わせる

  • 給付型は原則返還不要だが、学業成績不振や退学の場合は返還が必要になる。受給後も学業継続が前提

  • 2024年度から多子世帯・理工農系への支援拡大。2025年度に給付型がリニューアルされ対象・給付額が拡大(文科省・JASSO)

  • 貸与型は「自分が借りるお金」という意識を持つことが重要。申し込み前に返還シミュレーターで総額を確認する

  • 返還が困難になった場合は「減額返還」「返還期限猶予」などの制度がある。困ったら放置せず早めにJASSOに相談する

奨学金は「借りないこと」が正解でも、「とにかく借りること」が正解でもありません。自分の家計状況・進路・卒業後の見通しをふまえて、必要な分だけ賢く使うための制度です。まずは大学の奨学金担当窓口に相談するか、JASSOの公式サイトでシミュレーターを使ってみてください。


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